仕事のやりがい
Vol.0082015.06
- 「心の仕事のやりがい」
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職種:
介護福祉士勤続年数:
11年 -
今年3月に、S. A様が脳溢血のため急逝されました。入居当初から日々の介護で関わり合いが深く、4年前に、チーフとして別館に戻ってきてからも、「君がしっかりしないから」と、誰よりも多くお叱りをいただいた方でした。
去年の11月に、S. A様より「久しぶりに東京の同窓会に参加して、そのまま埼玉の母親に会いに行きたい」との相談がありました。お母様と何年も会っていない事情は私も聞いていたので、思いがけなくS. A様の口から「会いたい」と言う言葉が出たことに驚き、すぐに「行きましょう。ご一緒します」と話を進めました。 今思えば、この時に行くことができて良かったと思います。帰りの道中で「一緒に行ってくれて、ありがとう」とお礼を言われた優しい顔は、忘れられません。
亡くなった際に、疎遠になっていた御子息とお話しをする機会があり、「職員の方々から、父の暮らしや思いを聞くことができ、父のこころが理解できた気がします。私も、無理なことを言ってしまったのかもしれません。父は、ライフで生活することができて幸せでした」とのお言葉もいただきました。
S. A様はとても気難しく、多くのお叱りと、そして同じくらい多くの無理難題も言われましたが、あのとき、お母様に会いたいという気持ちを私に伝えてくれたのは、心を開いて頂けたからと思っています。介護は、心の仕事です。これからも心に寄り添う介護を目指していきます。